フランスの映画『今さら言えない小さな秘密』を観た。
幻想的でひたすらチャーミング。その不思議なユーモラスさ
u-nextでマイリストの「もうすぐ終了順」のトップにあったフランスの映画を観た。
ふとしたことから村の「自転車の英雄」になった少年。
彼が自転車に乗れないことを隠したまま青年時代を送り、中高年期にそのまま差し掛かってきた時に起こる人間ドラマを描いたのがこの映画だ。
コメディとも言えないような不思議なユーモラスさ?を感させる。
それと同時に、素朴といっていいのかわからない、幻想的でひたすらチャーミングな作品。
何か心にジーンとくるような不思議な感覚を呼び覚ますような。
ハリウッド映画のような暴力性や残虐性とは全く別世界と言っていい、素敵な映像世界を見せてくれたことにグッときてしまった。
映画のトーンに重要な役割を果たす、南仏の美しさ
あと、南仏の田舎の村と自然の美しさ。
これだけでこの映画のほとんどのことが成立してしまう。
例えば夜の街角に主人公のおじさんが歩いてきて、他には猫が1匹いるだけという場面がある。
たったそれだけのシーンでも、村の美しさが際立っているので、非常に一つの詩のような、あるいは絵画のような芸術性を人は感じてしまうのだ。
そして同時に僕は「自分が暮らすこの日本はどうだろうか?」と思った。
本当は美しさの面で、日本も負けていないのではないだろうか。
特に自然はまだ、日本にも豊かで素晴らしい場所がたくさんある。
そういう環境に対する美意識なりを、僕は大切にしたいと思う。
「観た映画のタイトルがわからない」という体験
この映画を観終わった瞬間に、配信期間をすぎたために、それがなんというタイトルでどんな監督によるものなのか?などを確かめることができなかった。
なんていうタイトルの映画なのだろうか?
多分「フランス 自転車 映画」とかで検索すれば、見つけられるのかもしれないが。
「タイトルがわからず、また見つけられるかわからない」という体験はインターネットがなかった時代に、テレビの深夜放送で見た謎の映画を見た時の感覚に似ていて、それは今ではとても貴重なものになっていると思う。
またu-nextでのこの映画の配信が再開されるのを期待しよう。
u-nextはしょっちゅう配信終了と開始を繰り返しているような気がするので、僕はまた観返すことができるだろうと楽観視をしている。
「終了順」の表示を利用すると、どの映画を見るかで迷わない
それにしてもマイリストの「終了順」の表示は便利だと思う。
何を観るか?で迷うことが多く悩ましいのだが、終了順に表示すると、それが「終了間近のこの映画を観よう」という理由が、その映画を見る動機として十分な強さを持って機能するからだ。
これからしばらくは「終了順」で観る映画を決めようかと思っている。